第五十七段 人の語り出でたる歌物語の、歌のわろきこそ

■『徒然草』朗読音声の無料ダウンロード
■【古典・歴史】メールマガジン
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

人の語り出でたる歌物語の、歌のわろきこそ本意なけれ。少しその道知らん人は、いみじと思ひては語らじ。

すべて、いとも知らぬ道の物語したる、かたはらいたく、聞きにくし。

口語訳

人の語り出した歌物語の、歌のまずかった時は実にがっかりする。少し歌の道を知っている人は、そんな歌はひどいと思って語らないものだ。

万事、あまり知らない道の話をするのは、笑止であり、聞き苦しいものだ。

語句

■本意なし がっかりする。 ■かたはらいたし 笑止である。

メモ

■専門の道を尊重する兼好の価値観。

朗読・解説:左大臣光永

■『徒然草』朗読音声の無料ダウンロードはこちら
■【古典・歴史】メールマガジン
【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル