第九十七段 その物に付きて、その物を費しそこなふ物

その物に付きて、その物を費しそこなふ物、数を知らずあり。身に虱あり、家に鼠あり、国に賊あり、小人に財(たから)あり、君子に仁義あり、僧に法あり。

口語訳

その物に取り付いて、その物を弱らせ損なう物は数知らずある。身に虱あり、家に鼠あり、国に賊あり、小人に財産あり、君子に仁義あり、僧に法あり。

語句

■費す 弱める。 ■仁義 仁義は人間の自然のありように反するという考え。 ■法 仏法そのものは貴重だが、とらわれすぎるとよくないという考え。 ■小人に財あり 『荘子』ベンボ篇。「小人」は徳・品性の劣った人。

メモ

●仁義、法 
●枕草子を意識。「ものは」段
●前半4は普通。後半2は意外性。
●引きこもりにインターネットあり。デブにスイーツあり。

朗読・解説:左大臣光永


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