平家物語 十 東宮立

こんにちは。左大臣光永です。

鴨川沿いの出町柳に枡形商店街という昔ながらの商店街があって、その中に出町座という小さな映画館があるんですよ。ヨーロッパ映画など、あまり一般受けしなさそうな映画をやっている、いわゆる名画座です。喫茶店も兼ねていて、いい雰囲気です。

昔住んでいた池袋に何軒あった名画座はどんどん潰れていったのに、池袋よりはるかに辺鄙な出町柳で名画座が生きているのはたのもしく思えます。

本日は『平家物語』の第十回「東宮立(とうぐうだち)」です。

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内容

幼帝六条天皇の皇太子として後白河と建春門院の間に生まれた皇子(憲仁親王)が立太子し、ほどなく高倉天皇として即位する。高倉天皇の即位により、平家の栄花はいよいよ高まる。

語句

■其年 永万元年(1165)。 ■諒闇 天子または皇后が亡くな天子が喪中にあること。ここでは二条上皇崩御による。 ■御禊 11月の大嘗会に先駆け、天皇が河で禊をすること。二条・三条の賀茂河原で行われた。 ■大嘗会 天皇即位後のはじめての新嘗祭。その年に新しく収穫された穀物を天照大神および天神地祇に捧げ、天皇がお召し上がりになり臣下にも振る舞われる。即位が7月以前の場合はその年の11月に、7月以降の場合は翌年の11月に行われた。 ■建春門院 後白河上皇の后・滋子。平清盛の妻・時子は妹。 ■一院の宮 後白河上皇第三皇子、憲仁親王。後の高倉天皇。 ■改元 永万2年(1166)8月27日、改元して仁安元年。 ■東三条 後白河の御所の一つ三条東殿。三条北、東洞院西、烏丸東。現姉小路通り沿い。 ■昭穆(じょうもく)にあひかなわず 父子長幼の順番に反している。皇太子憲仁親王は6歳、六条天皇は3歳で、皇太子の年齢が天皇より高いことを言う。「昭穆」は中国で宗廟における霊位の席次。太祖(創始者)の廟を中央に、「昭」は右側で、太祖の子・四世・六世の廟がならぶ。 ■寛和二年 986年「寛和の変」により花山天皇が退位し、一条天皇が即位した。 ■二月十九日 仁安三年(1168)2月19日、六条天皇譲位、高倉天皇践祚。 ■太上天皇 上皇。譲位した天皇の称号。最初に号したのは持統天皇(上皇)という。 ■大極殿 平安京大内裏朝堂院の北。現千本丸太町。 ■内 (高倉)天皇。 ■内外につけたる 宮中と宮中以外(平家一門)につけての。 ■執権の臣 権力をもった家臣。 ■叙位・除目 叙位は正月5日、天皇御自ら五位以上の位階を賜る儀式。除目は大臣以外の官吏任命の儀式。 ■楊貴妃が幸いせしとき… 楊貴妃は玄宗皇帝に愛され、楊子の一族は大いに繁盛した。楊国忠は楊貴妃のいとこで、国政に大きく関与した。 ■宣ひあわせ 相談する。

……

高倉天皇即位に伴い、平清盛の懐刀ともいえる、「平関白」平時忠が紹介される回です。

次回「殿下乗合(てんがののりあい)」に続きます。

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朗読 平家物語

朗読・解説:左大臣光永