花見

花見日本で花見といえば桜の花を見ること。『万葉集』にも桜を詠んだ歌があるが、まだ梅が多い。

貴族の春の遊びとして花見が行われた。

吉野の桜、嵐山の桜、大坂の交野の桜などは、歌に詠まれて有名。

吉野山こぞの枝折りの道かへてまだ見ぬかたの花をたづねむ(西行)

朝まだき嵐の山の寒ければ紅葉の錦著(き)ぬ人ぞなき(藤原公任)

またや見む交野の春の桜狩り花の雪散る春のあけぼの(藤原俊成)

足利義政が応仁2年(1468)洛西の大原野で行った花見、豊臣秀吉が行った文禄3年(1594)の吉野の花見、慶長3年(1598)の「醍醐の花見」などが有名。

庶民に花見が広がったのは江戸時代。八打将軍吉宗が飛鳥山や墨田瀬川の土手に桜を植えたことで、江戸庶民にも花見が楽しまれるようになった。

ソメイヨシノ

ソメイヨシノは幕末から明治初年にかけて江戸の染井村の植木職人によって作り出され吉野桜の名で売り出された。明治以降、普及していった。

江戸時代まで桜といえばエドヒガンやヤマザクラをさした。それらが100年の長寿をたもつのに比べて、ソメイヨシノの寿命は60年ほどと短い。

桜の開花予想日は毎年3月に気象庁から発表される。基準となるソメイヨシノの開花時期を予想するもの。

開花予想日が同じ地域をむすんだのが桜前線。

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朗読・解説:左大臣光永

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