土用の丑の日

土用の丑の日「土用」とは立春、立夏、立秋、立冬の前18日のことですが、一般には秋分の前の土用だけをいい、7月下旬にあたります。

土用の最初の日を「土用の入り」といい、暑い夏を乗り切るため、養生になるものを食べる習慣があります。「土用しじみ」「土用餅」「土用卵」など。

「土用鰻」は土用中の丑の日に鰻を食べると精がついて夏を乗り越えられるというもの。

鰻が養生になることは古くから知られていたようで、『万葉集』巻16に大伴家持が痩せ身の石麿(いわまろ)をからかう歌があります。

石麿にわれ物申す夏痩に良しといふ物そ鰻(むなぎ)取り食(め)せ

しかし「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣は、江戸時代からです。

一説に、平賀源内が、暑い夏に鰻が売れなくて困っていた鰻屋に看板を頼まれて、「本日土用丑の日」と書いた。するとうなぎが飛ぶように売れたということで、

言葉の力でモノを売った、平賀源内は日本初のコピーライターともいわれます。

また一説に、文政年間、江戸の鰻屋春木屋善兵衛が、大名から大量の注文を受けた。それで土用の子の日、丑の日、寅の日と三日間にわたって鰻を焼いて蓄えておいた。後で取り出してみると、丑の日に焼いたものだけが色も形も変わってなかった。ここから土用の鰻を特別にするようになったともいいます。

鰻、梅干し、うどん、うりなど「う」のつくものを食べると夏バテにきくともいいます。

ただし「天ぷらとすいか」「鰻と梅干し」など「食べ合わせ」には注意しないと腹を壊すと、科学的根拠はありませんが、言われています。

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朗読・解説:左大臣光永

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