竹取物語 現代語訳つき朗読

いまはむかし、たけとりの翁といふものありけり。

こんにちは。左大臣光永です。

炊飯器を買い替えました。19歳で上京した時から使っていた炊飯器ですが、保温機能が壊れてしまったので買い替えたのです。30年来のパートナーを失うのは感慨深いです。自分にとっては一つの時代が切り替わったような感があります。

本日は『竹取物語』の全文朗読を無料配布します。

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『竹取物語』というと、誰もが子供のころ、絵本で読んだ、あるいは学校の古文の授業で習ったものですね。

だからだいたいのストーリーはご存知でしょう。

かぐや姫に、竹取の翁、五人の求婚者、帝がいて、キャラクター設定もおなじみのものと思いますが、原文でぜんぶ通して読んだことのある方は少ないと思います。

『竹取物語』は、とても悲しい話です。

遠くから近づいてくるのがわかる、別離。

住む世界そのものが、へだたってしまう、その残酷さ。

おじいさん、おばあさんが、竹の中に見つけたかぐや姫を、ずうっと育てて、20年間。

いろいろな思い出があったでしょう。

かぐや姫が家の手伝いをしたり。家族でどこかに遊びに行ったり。おばあさんに料理や洗濯のやりかたを習ったりしたかもしれない。

いろいろな、家庭の場面があったことでしょう。

それらが無惨にも奪い去られ、

理不尽にも、月の世界に連れ去られてしまう。

しかもただお別れで、悲しいというだけでないんです。

最後の最後に、

20年間過ごした、その思い出までもが完全になかったことになり、まったく思い悩みのない、月の世界の住人として、かの国に帰っていく…

死別ならばまだよいです。

あの世で私のことを思ってくれているかもしれないという慰めが残るから。

しかし、それすら奪われてしまう。

20年間、すごしてきたかけがえのない年月が、記憶からも奪われてしまうという、

なんと悲しい、辛い物語だと、しみじみと、読んでいて目頭が熱くなるんですよ。

最後の富士の煙の場面も、立ち上る富士の煙がいかにも、この物語の哀れさを象徴しているようで、しみじみ味わい深いものがあります。

『竹取物語』はいろいろな絵本になっていますので、子供向けの作品かと思われがちですが、そうではないんです。

別離の悲しみ、家族との別れという普遍的なテーマがあり、

年をとって、人生経験を重ねれば重ねるほど、じーんと胸にせまるものがあり、子供の頃、絵本で読んだのではわからなかった、深い味わいが見つかる作品です。

『竹取物語』

ぜひ聴いてみてください。

▼『竹取物語』の全文朗読はこちら▼
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以下、解説ページ

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朗読・解説:左大臣光永

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