第二十段 なしがしとかや言ひし世捨人の

■『徒然草』朗読音声の無料ダウンロード
■【古典・歴史】メールマガジン
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

なにがしとかや言ひし世捨人の、「この世のほだし持たらぬ身に、ただ空の名残のみぞ惜しき」と言ひしこそ、誠にさも覚えぬべけれ。

口語訳

何とか言った世捨て人が、「この世に何も束縛される者を持たない身には、ただ空の名残だけが惜しいことだよ」と言ったのこそ、誠にそう思われるに違いないものだ。

語句

■ほだし 馬などをつないでおく縄。この世の束縛。 ■持たらぬ身 持ち合わせない身。「持たらぬ」は「持ちてあらぬ」の略。 ■空 自然。もしくは文字通り空。

メモ

■言葉通り「空」か。秋のスコーンと抜ける高い空なんか見ていると「いつまでも見ていたいなあ」と思うようなものか?

朗読・解説:左大臣光永

■『徒然草』朗読音声の無料ダウンロードはこちら
■【古典・歴史】メールマガジン
【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル