第二十段 なしがしとかや言ひし世捨人の
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なにがしとかや言ひし世捨人の、「この世のほだし持たらぬ身に、ただ空の名残のみぞ惜しき」と言ひしこそ、誠にさも覚えぬべけれ。
口語訳
何とか言った世捨て人が、「この世に何も束縛される者を持たない身には、ただ空の名残だけが惜しいことだよ」と言ったのこそ、誠にそう思われるに違いないものだ。
語句
■ほだし 馬などをつないでおく縄。この世の束縛。 ■持たらぬ身 持ち合わせない身。「持たらぬ」は「持ちてあらぬ」の略。 ■空 自然。もしくは文字通り空。
メモ
■言葉通り「空」か。秋のスコーンと抜ける高い空なんか見ていると「いつまでも見ていたいなあ」と思うようなものか?
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徒然草 現代語訳つき朗読
朗読・解説:左大臣光永