第二百二十九段 よき細工は

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よき細工は、少しにぶき刀をつかふといふ。妙観(みょうかん)が刀はいたくたたず。

口語訳

腕のいい細工人は、少し鈍い刀を使うということだ。妙観の刀はそれほど鋭くない。

語句

■細工 細工人。細かい器具を作る職人。 ■妙観 宝亀11年(780年)摂津国勝尾寺の観音像を刻んだ名工というが、時代が古すぎるので、その名を冠した別人か? ■いたくたたず あまり切れ味がよくない。「いたく~ず」は部分否定。

メモ

■切られるほうは痛い。源頼義が藤原経清の首をにぶい刀で斬り落とした話。

朗読・解説:左大臣光永

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