第四十段 因幡国に、何の入道とかやいふ者の娘、

■『徒然草』朗読音声の無料ダウンロード
■【古典・歴史】メールマガジン
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

因幡国に、何の入道とかやいふ者の娘、かたちよしと聞きて、人あまた言ひわたりけれども、この娘、ただ栗をのみ食ひて、更に米(よね)のたぐひを食はざりければ、「かかる異様(ことよう)のもの、人に見ゆべきにあらず」とて、親許さざりけり。

口語訳

因幡国に、何とか入道とかいう者の娘が、容貌が美しいと聞いて、多くの男が求婚し続けていたが、この娘は、ただ栗ばかりを食べてまったく米のたぐいを食べないので「このような異様な者を人と結婚させるわけにいかない」といって、親は許さなかった。

語句

■因幡国に 因幡国に在住の。

メモ

■自然でないことを兼好はよしとしない。
■現在もサプリしか食べない人とかいる。

朗読・解説:左大臣光永

■『徒然草』朗読音声の無料ダウンロードはこちら
■【古典・歴史】メールマガジン
【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル