第百九十九段 横川行宣法印が申し侍りしは
■『徒然草』朗読音声の無料ダウンロード
【無料配信中】足利義満
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル
横川行宣法印(よかわのぎょうせんほういん)が申し侍りしは、「唐土(とうど)は呂(りょ)の国なり。律の音(おん)なし。和国(わこく)は単律の国にて、呂の音なし」と申しき。
口語訳
横川行宣法印が申しましたことには、「中国は呂音の国である。律の音は無い。日本は律音のみの国であって、呂の音は無い」と申した。
語句
■横川行宣法印 伝未詳。「横川」は比叡山三塔(東塔・西塔・横川)の一つ。 ■呂 雅楽の音階の一つで、理性的的であるという。 ■律 雅楽の音階の一つで、感情的であるという。
メモ
●「はあ…」という考証的章段続く。
●大原三千院のそばに呂川(りょせん)・律川(りつせん)。「呂律(ろれつ)が回らない」
前の章「第百九十八段 揚名介にかぎらず」|次の章「第二百段 呉竹は葉細く、河竹は葉広し」
徒然草 現代語訳つき朗読
朗読・解説:左大臣光永