【藤袴 02】夕霧、玉鬘を訪ね胸の内をあかす

薄き鈍色《にびいろ》の御衣《おんぞ》、なつかしきほどにやつれて、例に変りたる色あひにしも、容貌《かたち》はいと華やかにもてはやされておはするを、御前《おまへ》なる人々はうち笑みて見たてまつるに、宰相《さいしやうの》中将、同じ色のいますこしこまやかなる直衣《なほし》姿にて、纓《えい》巻きたまへる姿しも、またいとなまめかしくきよらにておはしたり。

はじめより、ものまめやかに心寄せきこえたまへば、もて離れてうとうとしきさまには、もてなしたまはざりしならひに、今、あらざりけりとて、こよなく変らむもうたてあれば、なほ御簾《みす》に几帳《きちやう》添へたる御|対面《たいめん》は、人づてならでありけり。殿の御消息にて、内裏より仰せ言あるさま、やがてこの君の承《うけたまは》りたまヘるなりけり。

御返り、おほどかなるものから、いとめやすく聞こえなしたまふけはひの、らうらうじくなつかしきにつけても、かの野分《のわき》の朝《あした》の御朝顔は、心にかかりて恋しきを、うたてある筋に思ひし、聞き明《あき》らめて後《のち》は、なほもあらぬ心地添ひて、「この宮仕《みやづかひ》を、おほかたにしも思し放たじかし。さばかり見どころある御あはひどもにて、をかしきさまなることのわづらはしき、はた、必ず出で来《き》なんかし」と思ふに、ただならず胸|塞《ふた》がる心地すれど、つれなくすくよかにて、「人に聞かすまじとはべりつることを聞こえさせんに、いかがはべるべき」と気色《けしき》だてば、近くさぶらふ人も、すこし退《しりぞ》きつつ、御|几帳《きちやう》の背後《うしろ》などにそばみあへり。

空消息《そらせうそこ》をつきづきしくとりつづけて、こまやかに聞こえたまふ。上《うへ》の御気色のただならぬ筋を、さる御心したまへ、などやうの筋なり。答《いら》へたまはん言《こと》もなくて、ただうち嘆きたまへるほど、忍びやかにうつくしくいとなつかしきに、なほえ忍ぶまじく、「御|服《ぶく》もこの月には脱がせたまふべきを、日次《ひついで》なんよろしからざりける。十三日に、河原へ出でさせたまふべきよしのたまはせつる。なにがしも御供にさぶらふベくなん思ひたまふる」と聞こえたまへば、「たぐひたまはんもことごとしきやうにやはべらん。忍びやかにてこそよくはべらめ」とのたまふ。この御|服《ぶく》なんどのくはしきさまを、人にあまねく知らせじ、とおもむけたまへる気色いと労《らう》あり。中将も、「漏らさじとつつませたまふらむこそ心憂けれ。忍びがたく思ひたまへらるる形見なれば、脱ぎ棄てはべらむことも、いとものうくはべるものを。さても、あやしうもて離れぬことの、また心得がたきにこそはべれ。この御あらはし衣《ごろも》の色なくは、えこそ思ひたまへ分《わ》くまじかりけれ」とのたまへば、「何ごとも思ひ分かぬ心には、ましてともかくも思ひたまへたどられはべらねど、かかる色こそ、あやしくものあはれなるわざにはべりけれ」とて、例よりもしめりたる御気色、いとらうたげにをかし。

かかるついでにとや思ひ寄りけむ、蘭《らに》の花のいとおもしろきを持たまへりけるを、御簾《みす》のつまよりさし入れて、「これも御覧ずべきゆゑはありけり」とて、とみにもゆるさで持たまへれば、うつたへに、思ひもよらで取りたまふ御袖をひき動かしたり。

おなじ野の露にゃつるる藤袴《ふぢばかま》あはれはかけよかごとばかりも

「道のはてなる」とかや、いと心づきなくうたてなりぬれど、見知らぬさまに、やをらひき入りて、

たづぬるにはるけき野辺の露ならばうす紫やかごとならまし

かやうにて聞こゆるより、深きゆゑはいかが」とのたまへば、すこしうち笑ひて、「浅きも深きも、思し分く方ははべりなんと思ひたまふる。まめやかには、いとかたじけなき筋を思ひ知りながら、えしづめはべらぬ心の中《うち》を、いかでか知ろしめさるべき。なかなか思し疎《うと》まんがわびしさに、いみじく籠《こ》めはべるを、今はた同じと思ひたまへわびてなむ。頭《とうの》中将の気色は御覧じ知りきや。人の上に、なんど思ひはべりけん。身にてこそいとをこがましく、かつは思ひたまへ知られけれ。なかなか、かの君は思ひさまして、つひに御あたり離るまじき頼みに、思ひ慰めたる気色など見はべるも、いとうらやましくねたきに、あはれとだに思しおけよ」など、こまかに聞こえ知らせたまふこと多かれど、かたはらいたければ書かぬなり。

尚侍《かむ》の君、やうやうひき入りつつ、むつかしと思したれば、「心憂き御気色《みけしき》かな。過ちすまじき心のほどは、おのづから御覧じ知らるるやうもはべらむものを」とて、かかるついでに、いますこしも漏らさまほしけれど、「あやしく悩ましくなむ」とて、入りはてたまひぬれば、いといたくうち嘆きて立ちたまひぬ。

現代語訳

姫君(玉鬘)が、薄い鈍色の御衣を、やさしい感じにまとったやつれ姿で、ふだんと違った色合いにのために、顔立ちはたいそう華やかに引き立っていらっしゃるのを、御前にお仕えする女房たちは、ほほえみながら拝見していたところ、宰相中将(夕霧)が、同じ鈍色ながらもう少しこまやかな直衣姿で、纓をお巻きになっている姿が、かえっていっそう美しく清らかに見えるさまで、いらっしゃった。

当初から、中将(夕霧)は姫君(玉鬘)に、親身にお心をお寄せ申されていたので、姫君も、むげに冷淡なご態度をお取りになられなかった、それが習慣になっていたのに、今、実の姉弟ではなかったからといって、すっかり態度を変えるのもいやであるから、やはり今までどおり御簾に几帳を添えてのご対面は、間に人をはさまないで、行うのだった。殿(源氏)のお使いとして、帝からの仰せ言がある旨を、直接この君(夕霧)が承っていらっしゃったのであった。

ご返事を、おおらかなものであるが、まことに見苦しくなく、申し上げなさる姫君のそのようすが、そつがなく、情深いことにつけても、あの野分の朝に拝見した姫君の御顔は、心にかかって恋しいのを、そんな気持を抱くのはけしからぬことだと思っていたが、本当のことを聞き知ってからは、やはりじっとしていられない気持ちがくわわって、(夕霧)「この宮仕えを、父はかんたんにはこの方をあきらめて宮仕えにお出しになることはないだろう。あれほど見どころのある六条院の御方々の間でのご関係だから、この方が美しいからこそのやっかいごとも、また、必ず起こってくるだろう」と思うと、並々でなく胸がつぶれる気持ちがするが、なんでもないふうに他人行儀によそおって、(夕霧)「人に聞かせたくないということでございましたことを、貴女にお伝え申し上げたいのですが、いかがでございましょう」と意味ありげにおっしゃるので、近くにお仕えしている女房たちも、すこし退いては、御几帳の後ろなどで互いに顔をそむけている。

中将(夕霧)は、父大臣(源氏)からの伝言であるかのように、作り事を、それっぽく言いつづけて、情をこめて姫君(玉鬘)に申し上げなさる。

帝の姫君に対するお気持ちが並々でないことを、そのようにご用心なさい、などといった内容である。姫君はお答え申し上げることもなくて、ただため息をついていらっしゃるようすは、忍びやかに、可愛らしく、まことに心惹かれるので、中将(夕霧)はやはり我慢がおできにならず、(夕霧)「御喪服も今月にはお脱ぎになるはずですが、日柄がよくなかったのでした。十三日に、河原にお出になられるよう、父大臣がおっしゃっておいででした。私も御供するべく存じます」と申し上げなさると、(玉鬘)「ご一緒いただくことも大げさなようではございませんか。それとなくこっそり参るのがようございましょう」とおっしゃる。

この御服喪などのくわしいことを、世間の人に広く知らせまい、とお考えになるようすは、とても思慮深いのである。中将も、「そのこと(玉鬘が大宮の実の孫であること)を漏らすまいとお隠しになっていらっしゃるというのが、私にはつらいことです。私にとってこの喪服は、なつかしさに堪えられなく思われます形見ですので、脱ぎ捨てますことも、ひどく残念に思っておりますのに。それにしても、貴女と不思議なご縁でつながっておりますことが、また心得がたいことに思われるのです。このご縁のつながりをあらわす喪服の色がなくては、貴女とのこうしたつながりを、存じわきまえることができなかったでしょう」とおっしゃると、(玉鬘)「何ごとも存じわきまえません私の心には、ましてとにもかくにも筋道をたどって考えることができませんが、この喪服の色こそ、奇妙にもしみじみと心惹かれることでございます」といって、ふだんよりもしっとりしたご様子が、まことに可憐で美しい。

中将(夕霧)は、こんな機会にでもとお考えであったのだろうか、蘭の花のまことに美しいのを持っていらしたのを、御簾のはしからさし入れて、(夕霧)「これも御覧になるべき因縁はおありだったのですよ」といって、すぐにも手を離さずに持っていらっしゃるので、気づかずにお取りになる姫君の御袖を、唐突に、ひき動かしになった。

おなじ野の……

(私は貴女と同じく野の露にしおれている藤袴なのです…同じ大宮の孫どうしなのです。祖母の死をいたむ私に、せめて申しわけていどにでも、哀れみをたれてください)

「道のはてなる」ということだろうか、姫君は、まことに厭わしく気味が悪いお気持になられたが、そうとは中将に見知られぬさまに、そっと奥に引き入って、

(玉鬘)「たづぬるに…

(たずねてみて、はるか遠い野辺の露というならば(血筋をたどっていくと貴方と私が遠い親類同士というならば)、ゆかりある者として申しわけていどに憐れみもかけましょうが、実際には私と貴方は何の関係もない他人ですので、憐れみをかける道理もございません)

こうしてお話申し上げる以上の、深い関係がどうして私と貴方との間にございましょう」とおっしゃると、中将はすこし笑って、(夕霧)「浅いも深いも、よくおわかりのことと存じます。ほんとうのことを言えば、まことに畏れ多い帝のお召しによって貴女が尚侍としてご出仕なさることは承知してはおりますが、それでもおさえることのできない私の心の内を、どうしておわかりになれましょう。はっきり口に出してはかえって疎んじられることが残念なので、ひたすら内に隠してございました私の気持ちを、今はもうどうにでもなれと思いつめておりまして。頭中将(柏木)のようすは御覧になってわかっておりましょうか。あの当初、私は何を他人事のように思っていたのでしょうか。わが身にふりかかってみれば、まことに愚かしいことだと、一方では思い知られました。あの君(柏木)は、貴女が実の姉だとわかると、かえって思いをさまして、いつまでも姉弟として、おそばを離れないでいられることを頼みとして、思いを慰めているようすなど拝見するにつけましても、まことにうらやましく、ねたましいのですから、私のことをせめてかわいそうとでも思い置いてください」など、情をこめてお話知らせなさることが多かったのだが、決まりが悪いので、ここでは書かないこととする。

尚侍の君(玉鬘)は、しだいに奥にひき入りつつ、不愉快そうにお思いになっていらっしゃるので、(夕霧)「残念なご様子ですよ。貴女に対して過ちなど犯すはずもない私の心のほどは、自然と今まで御覧になっておわかりでございますでしょうに」といって、この機会に、もう少しお気持ちを漏らしたかったが、(玉鬘)「妙に気分が悪うございまして」といって、すっかり奥にお入りになってしまわれたので、中将は、まことにひどくため息をついて、その場を去ってしまわれた。

語句

■鈍色の御衣 喪服。前巻(行幸)で死が予感されていた大宮は、本巻の直前に亡くなった。大宮の亡くなる場面はここにないが、つづく藤裏葉巻でそれが三月二十日のことであったとあかされる。 ■もてはやされて 「もてはやす」は美しさを引き立たせること。 ■宰相中将 夕霧。右近衛中将で、宰相(参議)兼任。「宰相」は初出。前巻との間に昇進したか。 ■同じ色の 母方の祖母の服喪期間は三ヶ月。すでにその期間をすぎているが玉鬘にもまして濃い喪服を着ているのは、それだけ夕霧の大宮への愛情が深かったことをしめす。 ■纓 冠の後ろの部位。通常は垂らすが喪中は巻く。 ■はじめより 玉鬘が六条院に迎えられた当初から。 ■ものまめやかに 実の姉弟としての親身さで。 ■御簾に几帳添へたる御対面 御簾の前に几帳を置いて、つまり御簾と几帳を隔てての対面。それでも間に女房をはさまないので、ずいぶん親密の度が深いのである。 ■やがてこの君の承りたまへる 源氏を介さず、夕霧が直接の意。 ■らうらうじく 「らうらうじ」はそつがない。洗練されている。物慣れている。気高く美しい。 ■かの野分の朝の御朝顔 野分の翌朝に玉鬘を見たから「朝顔」とたとえる(【野分 07】)。 ■うたてある筋 当時、夕霧は玉鬘を実の妹と思っていたので、恋情をいだくなどとんでもないと自らの心を否定していた。 ■聞き明らめて 源氏から玉鬘の素性を打ち明けられ、実の兄妹でないと知れたこと(【行幸 11】)。 ■あらぬ心地 「えあらぬ心地(じっとしていられない気持)」か。 ■御あはひども 源氏と六条院にすまう愛妾たちとの関係。 ■わづらはしき 玉鬘が美しいので、六条院の御方々の中にあって、かならず嫉妬めいたトラブルが生じるだろうと夕霧は想像する。 ■胸塞がる心地 玉鬘が六条院のややこしい人間関係の中に投げ込まれて傷つくことを夕霧は心配する。 ■人に聞かすまじとはべりつること 父大臣から「他人に聞かせるな」と言いつけられていたという形にしているが、実際は夕霧自身が他人に聞かせたくない。それとなく人払いをしたいのである。 ■そばみあへり 互いに顔をそむけて、夕霧と玉鬘の会話を聞かないようにしている。 ■御服もこの月には脱がせたまふべき 父方の祖母の喪に服すのは五ヶ月間。 ■日次 暦の上の日の吉凶。 ■河原 喪が明ける時は河原で禊をする。おそらく賀茂河原。 ■この御服なんどのくわしきさまを… 玉鬘が喪明けをしめやかに行いたい理由。喪のことから玉鬘が内大臣の実娘であることが世間にばれるのを嫌う。 ■いと労あり 草子文。筆者の批評。 ■漏らさじと… 夕霧は玉鬘が喪明けをしめやかに行いたい真意を理解せず、大宮への気持が足りないせいだと受け取る。それで「心憂けれ」という感想につながるのである。 ■忍びがたく思ひたまへらる… 夕霧は大宮と親密で、熱心に大宮を見舞っていた(【行幸 04】)。 ■さても 話題の切り替え。 ■御あらはし衣 喪服が、夕霧と玉鬘が縁続きであることをしめしているというのである。 ■何ごとも思ひ分かぬ心には… 夕霧の言葉が親密の情をましてきたので、玉鬘は単に風流方面の話としてはぐらかす。 ■けむ 過去の推量。 ■蘭の花 藤袴の異名。現在のいわゆる「蘭」とは別物。原音「らん」のn音が開音節(母音で終わる語)化して「らに」となった。 ■御覧ずべきゆゑはありけり 藤袴は薄紫なので紫=縁。夕霧と玉鬘が縁続きであることをあらわす。夕霧と玉鬘は従兄弟の関係。 ■思ひもよらで取りたまふ御袖 夕霧は御簾の下から藤袴を差し入れる。玉鬘は当然、夕霧はすでに手を藤袴からはなしていると思うが、夕霧の手は添えられたままだった。そこで玉鬘が藤袴に手をのばすと、夕霧はすかさず玉鬘の袖を引くのである。 ■おなじ野の… 「藤袴」には「藤衣(喪服)」のイメージが結びつき、また、薄紫色であることから紫=縁ということで、二人の血縁関係もひびかせる。「託《か》ごと」は他にかこつけていうことば。口実。ここでは心の底からでないとしても、せめて申し訳ていどには情けをかけてくださいの意。 ■道のはてなる 「東路の道のはてなる常陸帯のかごとばかりも逢ひて見しがな」(古今六帖五)。歌意は、東路の道のはてにある常陸の国産の帯の鉸具《かこ》、その「かこ」という言葉ではないが、せめて「かごと(申し訳)」とていどにも、会ってみたいものだ。「かこ」に「鉸具」と「かごと」をかける。「東路の…陸奥の」までが「かごと」の序詞。玉鬘は夕霧の歌の結句からこの歌を連想し、この歌の結句「逢ひて見しがな」こそが夕霧の真意だろうと推量する。 ■たづぬるに… 「はるけき野辺」に二人が遠縁であることの意をかけ、実際には遠縁ですらないので、「かごと」をかけるゆえんもないと切り捨てた歌。 ■かやうにて聞こゆる 御簾をへだてて直接言葉をかわす関係。 ■深きゆゑはいかが 前の夕霧の「御覧ずべきゆゑはありけり」を否定した。 ■浅きも深きも、思しわく方ははべりなん 玉鬘に対する気持ちの深さ浅さをいう。しかし「誰の」気持か不明瞭。「私の貴女への気持が深いか浅いかはよくごぞんじでしょう」の意味と取ると、この後の「いかでか知ろしめさるべき」と矛盾する。「どの求婚者の愛情が深いのか浅いのか」の意か。源氏物語の読みづらさのほとんどは、こういうきわどい場面で主語を書かないことからきている。 ■いとかたじけなき筋 尚侍としての出仕。 ■今はた同じ 「わびぬれば今はた同じ難波なる身をつくしても逢はむとぞ思ふ」(後撰・恋五/小倉百人一首二十番 元良親王)。下の「わび」もこの歌から。 ■頭中将 柏木は実の姉と知る前は玉鬘に懸想していた(【胡蝶 04】)。 ■人の上に 夕霧は柏木から玉鬘への仲立ちをたのまれた時「人の上にては…」とすげなくあしらった(【螢 11】)。 ■知られけれ 「けれ」に今はじめてわかったという驚き・感動をこめる。 ■あはれとだに思しおけよ 前の夕霧の歌の下の句「あれははかけよ」を繰り返す。 ■かたはらいたければ書かぬなり 草子文。筆者が詳しく書かない理由。 ■尚侍の君 すでに玉鬘は尚侍に就任していたか。男女のやり取りの場面では一人称が「男」「女」となるが、それとかけ離れた役職名をもってくることに、夕霧がまったく玉鬘から相手にされていないことをしめしている。

朗読・解説:左大臣光永